無償の愛を与え合う

ワンコ, エッセイ

最近なーさんの耳が遠くなってきた。

彼女はもう11歳。人間で言うと60歳ぐらいになる。
食欲も旺盛だし、三女のふーさんに喧嘩売りにいくし、時々末っ子のきゃべさんとも走り回ってるし、元気なのは元気なのだけれど。

何だろうなあ。

眠る時間が増えたのと、時折口の端から舌が出っぱなしになっているのと……
あと、帰宅しても玄関でお出迎えしてくれなくなった回数が増えてきたのが目に見える「老い」。


アサリのように出ている舌。

あと10歳を超えてから妙に甘えん坊になって、お喋りするようになった。
アオアオウ……みたいな、切なげな声で話をしてくる。
このアオアオウ……には色んな意味が込められていて。
・撫でろ
・膝に乗りやすいようにあぐらをかけ
・お前の食っている肉をよこせ
・早く布団に入れ
・寝るのなら腕枕をしろ
代表的なのはこの4つ。
打ちこんで思ったんだけどこれ話してんじゃないな、文句だな

休みの前日に夜更かしだー!!と思って起きていても、1時や2時頃になるとわざわざわたしのところに呼びに来るなーさん。
「なーさんお布団行「アオウ……」
「だから先に寝「アオウ……」
「ママ後から行くか「ワフッ!」
最終的にキレられる。
お前はオカンか。

布団に入っても腕枕の体勢になってないと怒られるのだ。
ちゃんと腕枕の体勢になってあげて「おいで、なーさん」と声をかけてあげると、やっと布団に入ってくる。

わたし、どんな育て方したんだろう……。
何で飼い主にこんな偉そうなんだろう……

でもわたしは今のこの子が大好き。
仔犬の頃が一番かわいい、とよく聞くけれど、とんでもない。
この子が仔犬の頃、どれほど大変だったか。
危うく育児ノイローゼならぬ育犬ノイローゼになりかけたほど。
全力で吠える、全力で噛むは当たり前。
下手すると喉を狙いに来るハンター精神の持ち主だったのだ。

それがこうも話が通じるようになったなんて、感動モノ。
わたしが犬語を多少理解出来るようになっただけなのかもしれないが。

彼女がわたしの元に来たのが2007年の6月。
そこからほとんど毎日11年間一緒に居る。

正直、耳が聞こえなくなったっていいんだ。
元気でさえ、生きていてさえいてくれたらそれだけでいい。
15歳になっても、20歳になっても生きていて欲しい。
ずっとわたしの傍で文句言ってて欲しい。
化け犬になったっていいから、わたしの一生を見守っていて欲しい。

でもこれはわたしのエゴだし、化け犬になったっていいとは言いながらも、きっといつか別れは来るってことはわかっている。
だからそれまでにいっぱいお喋りして、なーさんとの思い出を作ろうと思う。
娘のような、親友のような、母親のような彼女との。

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